にゃん
(人間語・日本語訳
ある友人がいる。
弁護士を業としている。
業と書いたにはわけがある。
彼は、弁護士以上の存在だからだ。
正義の実行、それが彼の人生だ。
彼は、そのために弁護士という資格を取ったに過ぎない。
書けないことが多すぎるが、とにかく、彼は、ただの弁護士ではない。
そして、彼は、彼がそう思ってくれているなら、俺の友人だ。
最近、彼に借金を申し込んだ。
断られた。
僕は彼なら貸してくれるとばかり思っていたから、驚いた。
そしてまた、僕は傲慢だから、少し怒ってしまった。
昨日、彼から、貸せなくて申し訳ない、というメッセージが来た。
彼は、僕に、お金を貸す以上のことをしてくれてきた。
顧問料も払ってないのに、色んな相談に乗ってくれた。
顧問料も払ってないのに、色んなことを受けてくれた。
僕が闇の組織に追われて、少し逃げるという話をした時に「どこに隠れるか教えてください。一緒にキャンプをしましょう」と言ってくれた。
彼と僕は、本当の奥のところで繋がっていると思っている。(本当の、奥の奥でだ。具体的な話はできない。)
僕は、そんな彼に借金を申し込んだ。
そして、断られた。
そして、怒った。
そして今は、怒った自分に怒っている。
僕は病んでいるが、彼も病んでいる。
僕は、昨日、彼に謝った。
彼の中に、僕にお金を貸す貸さないの葛藤を産ませてしまったことを。
彼に最近の自分について相談した。
「ふと、社会のすべて(いや、俺自身の愚かさも含めてだな)に腹が立って、道を歩きながら目の前の人間を、いま◯してみようかなと考えてしまう」
「夜に散歩した時に、車のびゅんびゅん走る道路の中央分離帯を歩いてそのスリルを楽しんでしまう」
「ヤクザとも喧嘩をするスカウトに喧嘩を売って囲まれるまで挑発する遊びをしてしまう」
「僕は、自分がおかしくなってきている気がするんです」
彼は、そう思いますと言った。
公式LINEを読んでいて、そう感じると、言った。
そして、ひとつのYouTubeのリンクを送ってきた。
リンクを開いて、曲を聴いた。
それは、僕が彼に教えた曲だった。
「僕は、怖い時や、困難に立ち向かう時にこの曲を聴くんです。」
その頃の僕は、よく、戦いの前に、この曲をずっと聴いて、路上で頭を揺らして、脳をその「モード」にしてから、突入していた。
突入する場所?
たとえば、警察署(もちろん悪いことはしていない。友人の女の子が、ホストに酷いことをされて、共に被害届を出しに行くのについて行った、どうしても動いてもらうために、警察の人たちの前である行為をして覚悟を見せようと思った。そのためには覚悟が必要だった。)
たとえば、あるキャバクラ(ある悪い人間たちに、人づてで理不尽な要求をされて、僕は突っぱねた。間に入っていた人間(これも、怖い人だ。)は最初、俺に対して怒りの言葉を投げかけた。俺は逆に怒った。そして、彼に対しても怒りをぶつけた。最後に彼は、俺の顔を立ててくれと言った。そして、俺は、取り下げた。その後、その間に入った人間に、キャバクラのVIPに呼ばれた。ありがとうな、と言われた。でも、僕は許せなかった。あいだに入った人間に「顔を立ててくれ」と言われたから取り下げただけで、俺は、その向こう側にいる悪い人間たちのことを1ミリも許していなかったからだ。
だから、俺は、まな板と包丁をカバンに入れていった。
もし、その場に、その人間たちがいたら、目の前でこう言うつもりだった。
「いやあ、すみませんねえ。まあ、取り下げましたけど、取り下げるまでにご迷惑をおかけしましたよねえ。俺はカタギの人間なんであなたたちヤクザの世界のしきたりがわからないんですよ、謝ってもすまないですよねえ?だから、今から、あなたたちヤクザの世界のしきたりに乗っ取って、指を落としますね。いやあ、すみませんねえ、こんなことで許してもらえるとは思ってないんですけどね、これで勘弁してもらえませんかねえ。」
しかし、向こう側の悪い人間たちはその場にいなかった。
だから僕は、今は、小指の先を落とさずに済んでいる。
わかりやすく言うと、当てつけがしたかったのだ。
俺は、本当に怒っていたからだ。)
たとえば、議員会館(初めて議員会館に入る時だ。俺は、それまで政治家と接したことがなかったから、怖かった。しかし、入れば余裕だった。今では余裕過ぎて、議員さんと一緒にあのゲートをくぐって、カバンの中のチェックをされる時に「あ、すみません!チャカ入ったままでした!すみません!」と軽口を叩くまでになった。その後、こう付け加える。「はは、冗談すみません。チャカはポイント高いですもんね、見つけたら持ってきますね!」ちなみに、このやり取りをしている時に、ゲートの向こう側で議員さんを待たせていた。自民党の裏金問題真っ只中で、党の重鎮の彼にとって、1分1秒も惜しい時だった。だから、たぶんちょっと怒っていたかもしれない。ごめんなさい。)
去年の末、彼とご飯に行った時に、僕は彼にこの曲を教えた。
この曲は俺の曲な気がするんですと。
(どうして俺な気がするのか、それは聴いてくれたらわかる。いいから一度、聴いてくれ。)
彼は、その曲を、アンサーとして、俺に返してきた。
俺は彼に借金を断られて怒った自分に猛烈に腹が立つと同時に、こんな人を泣かせるアンサーをする友人に腹が立った。
そして、泣いた。
泣いてしまった。
俺はめったに泣かない。
1.数秒間に合わず目の前で親友が飛び降りて、ベランダから見下ろす地面でさっきまで人間だった親友が「物体」になっているのを見た時
2.俺のことが好きな人間が、俺のことが好きなあまり、そして俺があまりに強く接しすぎたあまり、遺書を残して飛び降りを図った時。
3.そして、その人間が、いまだに飛び降りを図ろうとしていることに気づくとき(その人間は、最初の飛び降り以降、俺に怒られるからと、飛び降りる階数を2階からに変更した。飛び降りたくて飛び降りたくてたまらないが、高層階から飛び降りると死んでしまい、そうすると俺が困るので、2階から何度も飛び降りている。そして最後には立ち上がれなくなって、救急車のお世話になる。馬鹿野郎。)
4.俺が軽い気持ちでつけたニックネームをありがたがり、その名前の刺青を入れた女がいた。この女も俺のことを愛していた(と、思う。)その女が、俺に害悪を及ぼした人間たちの組織に、俺が頼んでもいないのに、包丁を持って突っ込んで、捕まった時。
何個も書き並べようと思ったが、俺が泣くのは、このくらいの時だ。
しかし、このくらいのことが、今までの人生で、何度もあった。
すべて、人の死が関係している。もっと言おう、社会の不条理。
この社会は、クソだ。
「すべての自殺は他殺である」という俺の主義も、ここから産まれている。
悪い人間が得をして、純粋な人間が騙される。
俺は社会を変えたいとよく口にする。
俺は力が欲しいとずっと思っている。
それは、こんなことが何度もあったからだ。
その力で、このクソ社会を変えたいからだ。
同じく友人の宮台真司と、ある日、食事をしている時に、こう聞いた。
「先生、今の政治家に、いい政治家はいると思いますか?」
宮台は、少し考えてから、言った。
「うーん、いないね。昔ね、◯◯という政治家がいたんだけどね、あいつもダメになった。」
「そうなんですか」
「ああ、ミイラ取りが、結局はミイラになってしまうんだ」
しかし、先生、今も、いい政治家もいると思いますよ。(もしかしたら、僕が騙されているだけかもしれませんが笑)
宮台は、政治家はミイラ取りがミイラになってしまうと言った。
俺も、似ている状況に陥っている。
人を助けるつもりが、助けを必要とされる人間になってしまっている。
本末転倒だ。
友人の、弁護士を業とするアンサーである、俺の好きな曲を聴きながら、俺はそう思った。
そうだった、俺の原点はここだった。
スリルを求めて、道路の中央分離帯の真ん中を歩いている場合じゃない。
クソみたいなヤクザへの当てつけのために、俺の大事な小指を落とそうとしている場合じゃない。
そうだった、俺は、数年前に、いわゆる経営者という立場になったんだった。
俺がいなくなると困る人間がいる。
俺のために死んだ人間がいる。
俺がそんなつまらないことで命を落とすと、俺を愛している人間の、俺を愛しているがゆえの壮絶な苦しみが、軽んじられてしまう。
友人は、このLINEを見ているから、ここで、礼を言う。
気づかせてくれて、ありがとう。
そして、泣かせてくれて、ありがとう。
お返しに、俺からもお前に忠告をするぜ。
お前は正義感が強すぎるが、自分のキャパシティをオーバーして引き受けすぎだ。お前が正義感が強いのはわかる。優しいのもわかる。強いのもわかる。ただ、あまりにも救おうとしすぎだ。俺の頼んだ人間たちの弁護を、着手金無料で動いてくれたお前の気持ちには、本当に感謝しかない。
しかし、お前はキャパシティを越えて、人を救おうとし過ぎだ。
お前に頼んだけど、あまりにお前がキャパシティを越え過ぎて、対応が遅れて、怒った俺の親友が何人もいる。
一度委任した以上、簡単に他には変更できないんだ。
引き受けた以上は、しっかりやれよ。
もしくは、しっかりやれるだけの量だけ、引き受けろよ。
お前は俺に、愛のある忠告を昨日、してくれたな。
だから俺も、お前に愛のある忠告をする。
お前は昨日、俺に忠告をする前に言ったな。
「あくまで愛を前提として言わせてもらいます」
ふざけたことを言うな。
そんな言葉はいらない。
俺が間違っているなら、俺が間違っていると言え。
そんなことで怒るほど、俺は小さい人間ではない。
そしてまた、そう思っているならもっと早く言えよ。
いや、間違えた、言ってくれ。
俺は自分で自分の間違っていることのすべてが、わからない。
だから、俺が間違っている時は、教えろ。
長くなった。
結局、怒ってしまったな(笑)
俺はついつい、そしてまた、すぐに怒ってしまう。
友人よ、謝るよ。
申し訳ない。
そして、友人、俺たちの関係は怒って終わりは嫌だよな?
だから、お前へのこの文章、この愛の文章は、最後はこの言葉で、終わらせるよ。
ありがとう。
君からすりゃDifficult
まあ、その気持ちも
わかんなくはないが
簡単なら他の誰かでもいいじゃん
俺が燃えるのはDifficult
guca owl『DIFFICULT』より引用
※本文中、文章の張りを損なわないため、また、僕と彼との関係性の上、あえて敬意を込めて、宮台真司のことを呼び捨てにした。このLINEを登録した時に配信されるあいさつメッセージでも、呼び捨てにしている。しかし、俺は、彼を呼び捨てで呼ぶたびに、苦しい思いをしている。なぜなら、本当は、「先生」と呼びたいからだ。俺は彼を、尊敬し、そして、愛しているからだ。俺がもう10年も前から、好きでその著作を読んでいた人間だ。友人になったのは、去年。初めて会ったのは、フルチンでのサウナでしたね。先生、覚えていますか?先生には無用な心配だったのですが、僕なりに、サウナを設定したのは、理由があったんですよ。(何年も本を読んで憧れていた人間との初めての対面が、フルチンでのサウナ、面白くてたまんねえよ。)そして、色々あって、俺は、あえて彼を呼び捨てで呼ぼうと決めた。宮台先生、先生も、このクソ社会に壊されかかっていますよ。僕に言われたくもないと思いますが、僕は、そう思います。僕は、先生を、支えます。先生の、あの力強い言論を、もう一度、僕は見たいです。先生、負けないでください。色んなことがあったんだと思います。
※本文中、ある曲を俺が好いていると書いてあり、また、重大な勝負事の前にはこの曲を路上で何十分も聴いてから突入すると書いたが、今現在の俺に、その作業は不要となっている。そのような曲を使った脳のツールを用いなくても、ものの数秒、脳をそのモードに自分で切り替えることができるようになった。そうすると、あとで思い返すと、自分でも「よくあんなことをあの場でやったな」ということができる。つまり、俺は成長したのだ。大麻を吸ったり薬を使って頭を飛ばさないと曲がかけないとのたまうラッパーが嫌いなのと同じく、曲を何度も聴かないと勇気を持てない俺はダサい。でも今はダサくないという言い訳を、させてもらう。
※ラッパーはこういう人種ばかりだ。俺はラッパーのこういうところが本当に嫌いだ。ラップ自体は嫌いじゃない。しかし、こういうラッパーが本当に嫌いなのだ。そして、曲の中に、薬や大麻や草といったワードを連呼させるのも、大嫌いだ。お前が大麻が好きなら、黙って隠れてこそこそ吸ってろ。大麻に害はない?アルコールより害がない?そんなことは俺は知っている。そういうことを言っているのではない。社会的に悪とされ、現在の日本の法律で所持が禁止されている以上、それを高らかに曲に入れて、イキるなと言うことだ。俺には「イキり」にしか見えない。weedだの葉っぱだのミドリだの、ダサくてダサくてたまんねえよ。薬関係のワードの入った曲をカットするフィルターでも、誰かつくってくれないかな?薬の力なんて借りずに、シラフで飛ばせよって話だよ。薬を使わないと作品を作れないお前は、弱いということだよ。わかるかい?
※ちなみに「怒り」という感情は、人を動かす最も強い感情のひとつだと、最近俺は思う。最近、人に鈴木靜雄という人間を紹介された。リブランというデベロッパーの創業者らしい。会った時は、周りに色んな人が群がる、権力を持ってるっぽいい、ただのジジイにしか見えなかった。(会場の色んな人間がジジイの前に列をなして、必死にアピールして名刺交換をしていた。)
「なんだ、このジジイ。そんなに偉いのか?」
しかし、彼にもらった本『狂愚三昧の経営』を読んで、気づいた。このジジイは、すごい。政治家は、法律を作って社会を変えるが、このジジイは、街を作って、社会を変えてきたんだ。こんなことが、できるんだ。不動産業に対する俺の認識が、その日、変わった。
そしてまた、気づいた。このジジイを動かしてきた原動力は「怒り」だったんだなと。(すごいことがわかっても「ジジイ」と呼ぶのが俺のスタイル。)
二回目にこのジジイのいる場所に行った時、会場の一番後ろで座っていたこのジジイは、たしかに、オーラを放っていた。
その場では、参加者みんなが3分間ほどのスピーチをする場だったのだが、みなが自分の会社の紹介をする中で、俺は、その会場の一番後ろで、まるでフィクサーのように肘をついてその場全体を(優しく)眺めているジジイに向けて喋った(まるでという表現は間違っているな、彼は、「フィクサー」そのものだ。)「あなたの本を読みました。あなたのことを尊敬しています。3分間は短すぎる。言いたいことがたくさんある、あなたと話したいことや聞きたいことがたくさんあります。これだけ付箋を貼ってきました。少なくとも、この全部について、あなたの話が聞きたかったんです。でも、そうですね3分と言われたので、とりあえず、ひとつだけ、言いたいことを言います。
あなたを動かしていたのは、「怒り」ですよね?
俺は思いました。安倍晋三という政治家を知っていますか?僕は、彼のことを、尊敬しています。そして、彼の原動力も「怒り」であったと思います。
俺は最近、安倍晋三という政治家についての本を読み込んでいるが、気づいたことがある。彼の原動力は、きっと「怒り」だったんだろう。彼の笑顔や、話し方、口調、そして国会での野党に対する答弁や、ヤジに対する反応は、敵をも味方にするような、柔らかい、ユーモアに満ちた、とても優しいものだった。しかし、俺は、彼の奥底には、社会に対する「怒り」があったと思っている。
また、言うまでもないことだが、言っておく。安倍晋三は、戦後の政治家の中でも偉大な政治家の一人である。彼を失ったことは、日本と、そして世界にとっての甚大な損失である。
高市早苗という政治家が言った。「安倍さんの変わりなんていません。」本当にその通りだ。
安倍なき世界で、俺たちは、誰に縋ればいいのだろう。いや、「縋る」という言葉は、間違っている。彼個人に、日本と世界の命運を託していた俺たちが、間違っていたのだ。日本人は、みな、彼に感謝と、そして謝罪をしなければならない。「日本を助けてくれてありがとう」そして「あなた一人に背負わせてしまってごめんなさい」
俺たちが今からできることは、彼がなしたことを検証し(もちろん批判すべきところも、ある。)また、彼の亡き遺志を継ぎ、日本を、そして世界を少しでも良くするように、彼の遺志を継いで、行動するのみだ。
あるいは、俺たちが力を合わせれば、まるで、彼がまいた種が、何年も、何十年も後に、屹立した、強いクスノキの木になるように、この世界を彼が望んでいた以上に、良い方向に、美しい国に、変えるだろう。(クスノキは、俺の母校の木だ。)
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おさんぽ日記 2024年5月21日 13分57秒
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